【書評】「宵山万華鏡/森見登美彦」京都の祭りは不思議がいっぱい!

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「宵山万華鏡」の概要

アニメ映画化もされた『夜は短し歩けよ乙女』『ペンギン・ハイウェイ』などでお馴染みの森見登美彦氏の連作短編集です。京都の祇園祭「宵山」を巡る不思議な事件が描かれています。

一風変わった友人と祇園祭に出かけた「俺」は“宵山法度違反”を犯し、屈強な男たちに捕らわれてしまう。次々と現れる異形の者たちが崇める「宵山様」とは?(「宵山金魚」)目が覚めると、また宵山の朝。男はこの繰り返しから抜け出せるのか?(「宵山迷路」)祇園祭宵山の一日を舞台に不思議な事件が交錯する。幻想と現実が入り乱れる森見ワールドの真骨頂、万華鏡のように多彩な連作短篇集。

「宵山万華鏡」の感想

バレエを習う姉妹、大学生、画家など、1話毎に主人公が変わっていく連作です。森見登美彦氏が著者なので、例によって京都が舞台です。森見さん、京都好きですね、ほんとに。1話自体はそれほど長くない為、寝る前に30~1時間ずつ読んでも話を忘れずに続きが読める文量です。

それぞれの物語は大きく関わっている物もあれば、カメオ出演的に少しだけ他の話の登場人物が出てくる物などもあり、大小の差あれど、ひとつの世界観で同時多発的に物語が進行していく様が味わえます。それはさながら、万華鏡の粒が角度を変えながら煌めくように、1話ずつ読み進めるほどに「宵山万華鏡」の輝きが増していくストーリーになっているように思います。

「宵山万華鏡」の各話は、くだらない事に真面目に取り組む阿保な話もあれば、ちょっと怖いホラー要素のある話もあります。ホラー要素は、もしあの場面であの選択をしていたら、どうなっていたのだろうと興味半分怖さ半分で、けっこう不気味な印象です。

まとめ

「宵山万華鏡」の京都の祇園祭「宵山」が話の主軸なので、各話が少しずつ繋がっています。読みながら前の話に戻ったりすることで、話の繋がりなどを発見することも出来ますので、読み返す事も楽しい本になっています。