【書評】「恋文の技術/森見登美彦」

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「恋文の技術/森見登美彦」の概要

「恋文の技術」は、「夜は短し歩けよ乙女」や「有頂天家族」など数々の作品がアニメ化や映画化されている森見登美彦氏の小説です。森見登美彦氏らしく、例によって京都が絡んでいます。おおまかには、下記のあらすじのとおり、京都の大学生が単身能登半島に行くことになり、京都の友人と知人と文通するお話です。

京都の大学から、遠方の実験所に送られた男子大学院生が、友人知人に手紙を書きまくる。でも本当に気持ちを伝えたい人には、思うような手紙が書けなくて――。

参考:公式サイト

「恋文の技術/森見登美彦」の感想

「恋文の技術」は、主人公が文通武者修行と称して友人知人など様々な人と文通するのですが、すべて手紙の内容として構成されている点が面白い所です。読者は文通相手がどのような内容を送ってきたか読むことができませんが、その内容すらも主人公の文通内容に、自然に織り交ぜて描かれています。

主人公の文体は、口調や言葉遣いも相手に合わせて書いており変化もある為、飽きることなく一気に読んでしまいました。また文通相手はそれぞれ少しずつ関連性があり、全体として見ると群像劇になっています。

■主人公の文通相手
・大学の友人
・大学の先輩
・家庭教師をしていた小学生
・森見登美彦
・妹
・気になるあの人

多種多様な登場人物ですね。森見登美彦氏ご自身が登場している点も面白いです。自己評価を主人公に語らせているのでしょうか?

まとめ

実は「恋文の技術」は図書館で試しにちょっと読んだところ、非常に面白かったため、文庫版を買って一気に読みました。それくらい面白かったです。

こういった手紙の内容のみで構成された小説を「書簡体小説」と呼ぶそうです。日本では、太宰治や村上春樹氏が同様の小説を書いています。このタイプの話は初めて読みましたが、軽妙な語り口もあり、非常に楽しく読めました。「恋文の技術」のタイトルにある通り、主人公はどんな女性をも篭絡する究極の恋文の技術を開発すべく、様々な人と文通武者修行をするのですが、肝心の相手への手紙はなかなか書けずにいます。最終的にどうなるのでしょうか?気になる方はぜひ読んでみてください。

表紙の絵も、読み終えた頃にはお気に入りの表紙絵になっていると思いますよ。